満たされないのは欲深いからじゃない|恵まれてるのに心が空っぽな理由

友達と楽しく過ごして帰ってきた夜、部屋で一人になると、なぜか心が満たされない。
仕事も暮らしも大きな不満はないのに、誰といてもひとりぼっちのような感じがする。
「もっと大変な人がたくさんいるのに」と誰かと比較して自分を責めていないでしょうか。

実はこうして、比較や採点されて「評価疲れ」した心は、何を手にしても「合格」と受け取れなくなってしまうんです。

この記事では、いつまでも満たされない心の仕組みと、よくいわれる感謝や目標設定では決して解決できなかった理由と対処法をお伝えします。

満たされないのは、欲深いからじゃない

心が満たされないと、「私は欲深いのかな」「高望みしすぎなのかな」と考えてしまいますよね。

でも、そうじゃありません。

カウンセリングの現場で、この空白のような感覚を一緒にたどっていくと、よく出てくるものがあります。
子どもの頃から、ずっと採点されてきたという感覚です。

採点されてきた心にとって、何かを手にしたことは、次の試験の始まりのサイン。

足りないのは、次の何かではありません。
点数と関係なく受けとめられる感覚のほうなのです。

心が満たされないと感じる人の特徴

相談の現場でよく聞く感覚を、3つ挙げてみます。

誰といても、ひとりぼっちの感じがする

友達はいる。職場の人間関係も悪くない。仕事では、はっきり意見も言える。
それなのに、誰といても心の奥がひとりぼっち。

友達の前では元気で明るい自分でいて、愚痴をこぼすときでさえ、自虐ネタにして笑いを取らないと気がすまない。

友達が悪いわけじゃないんですよね。
とてもいい人たちだとわかっているし、自分が勝手に心を許しきれずにいることもわかっている。
だから余計に、打つ手がない感覚で、自分でも気づかないうちに自分を責める癖がついてしまいます。

楽しかったはずの日の夜に、満たされない

遊んでいる間は、本当に笑っていたはずです。
それなのに帰ってくると、疲れきっている。

次の約束が近づくと、その疲れを先に予想して、人と会うのが億劫になる。

「もっと大変な人がいるのに」と自分を責めてしまう

「何が不満なんだろう」
「贅沢な悩みだ」

満たされない苦しさの上に、責める苦しさまで重なってしまう。
まず、そんなあなたにカウンセラーとして伝えたいのは、辛さにレベルなんか無いということです。
その方が辛いと思っているなら、それは辛いんです。
誰にも立ち入らせなくていい、あなただけの大切な心のSOSなのです。

何にも満足できない自分は悲劇のヒロインぶっているだけでは、と頭をよぎる方は、悲劇のヒロインとは?「自分もそうかも」と悩む人の本当の心理も読んでみてください。

恵まれてるのに満たされないのはなぜ?

恵まれてるのに、幸せなはずなのに満たされない。
それは、手にしているものと、心がほしがっているものが別だからです。

外から見て恵まれているというのは、言ってみれば点数の話。

ずっと採点されてきた心

採点の中身はだいたい2つに分かれます。

  • 友達がいて、順調な学校生活を送っているか(休日に誰かと遊びに出かけているか、など)
  • 成績が優秀か

両方を求められてきた方もいらっしゃいます。

「今日は学校どうだった?大丈夫?うまくいってるの?」
お誕生日会に招待されたのか。自分のお誕生日に友達が来るのか。
年賀状が何枚届いたかすら、通知表のように感じてしまう。

「合格」は安心にならない

いい点を取れば、喜んでもらえる。
でもそれは今回の点数で、次の試験はまたやってきます。

つまり合格は、安心ではなく、次の採点までの猶予なんです。

これを何年も繰り返すと、心は「評価疲れ」していきます。
もう誰にも見られていなくても、自分の中の採点は止まりません。

褒められても素直に喜べない方は、褒められても嬉しくないのはなぜ?褒め言葉を受け取れない愛着障害の心理も参考になると思います。

ひどい親でなくても起こること

虐待があったわけではない。
ごはんも食べさせてもらったし、学校にも行かせてもらった。

だから「親のせいにするなんて」と、自分の苦しさを認めにくい方が多いです。

ただ、ここで見ているのは、ひどい親だったかどうかではありません。
点数と関係なく、ありのままを見てもらえた感覚があるかどうかです。

親もまた、不安を埋めようとしていた

親のほうも、本当に自慢の子どもとして見ていたというより、「自分に悪い点がつくんじゃないか」という不安から、子どもの点数を気にしていたのかもしれません。

子どもで不安を埋めようとする。
つまり、満たされない連鎖が起こっているような家庭です。

だから親を責めましょう、という話ではありません。
わかったから許しましょう、という話でもありません。
腹が立つなら、腹が立っていい。
これがあなたの心があなたに発しているSOSだからです。

手に入れた後のほうがしんどくなる3つの形

満たされないとき、何かで埋めようとするのは自然なことです。

学びや趣味で埋める:習得すると熱が冷める

興味のある趣味や、心理学の勉強に取り組む。
最初は面白いし、ある程度までは上達していく。

ところが習得したあたりで急に熱が冷めて、始める前よりもむなしい気持ちが出てきます。

そしてまた次へ。セミナーを渡り歩くように学びを重ねるほど、深みにはまっていく。
使ったお金への後悔、時間を無駄にしたような感覚、年齢への焦りまで重なります。

習得は、いわば合格です。
試験が終わると、また次の試験を探すしかなくなるんですね。

恋愛で確かめる:「好き」と言われた後のほうが不安になる

相手が自分に関心を持っているか不安で、確かめようと必死になる。
好きだと言ってくれても、穏やかに接してくれても、足りない。

むしろ好きだと言ってもらった後のほうが、もっと不安になっている。
相手がだんだん面倒そうになる様子まで観察して、さらに不安になっていきます。

「好き」も、今回の点数に聞こえてしまうのかもしれません。
確かめずにいられない方は、不安型愛着障害の「試し行動」がやめられない大人へも読んでみてください。

人と会って紛らわす:疲れても、一人よりはまし

人と会えば疲れる。
でも一人でいると、自分の中の空白のようなものと向き合うことになる。

それよりは、疲れてでも人と会っているほうがまだまし。
そんな選択肢で、休日の過ごし方が決まっていきます。

どこへ行っても、満たされなさが逃げられないものとして追いかけてくる。
ここまでやってきた方に足りなかったのは、努力ではありません。

休むと焦る、焦ると頑張る、頑張るのはもう限界。
このサインへの気づきこそが、今できる最初の一歩なのです。

感謝や目標で満たされないのは、なぜ?

満たされない心について調べると、よく出てくる答えがあります。

  • 今あるものに感謝する
  • 新しい目標を見つける
  • 人と比べないようにする

これは正論であり、間違いではありません。
ただし、正論が通じるのは限界の人ではなく、ある程度の元気が残っている人。
今ここまで読み進めて下さっているあなたは、かなりの限界ポイントにいるのだと思います。

しかも採点されてきた心にとっては、これらも新しい採点項目になってしまいます。

ちゃんと感謝できたか。目標を達成できたか。比べずにいられたか。
感謝できない自分に、またバツをつける。
終わらない採点の悪循環から抜け出すために、
対処法をお伝えしていきます。

満たされない気持ちの対処法

ここからお伝えするのは、新しい何かで埋める方法ではありません。
順番に3つです。

埋めたくなった自分に気づく

新しい講座を申し込みたくなったとき。
予定を入れたくなったとき。

不安がモチベーションになって始めようとしていた。
やりたいじゃなくて、やらなきゃだったんだ。
そう気づくだけで大丈夫です。

ここではまだ、スッキリしなくていいんです。

「今、採点している」と気づく

次に、その不安がそもそも採点からきていたことに気づいていきます。

私は今、何から採点されていたのかな。
親かな?先生かな?フレネミー(友人のフリをした敵のこと)かな?
そう想像してみてください。

ポイントは、採点してきたものと闘わないこと。

「あんな基準は間違っている」「もう気にしない」と闘おうとすること自体が、実は、身体を強い緊張状態にして、本当の感情をふさいでしまいます。

もしそうなったことに気づいたら、一度肩に思いきり力を入れて、一気に吐く呼吸とともに抜いてみてください。
緊張に気がつくはずです。

点数と関係のない時間を持つ

あえて、つまらないことをしてみます。
誰にも褒められず、上達もせず、何の役にも立たないこと。

たぶん、つまらないです。
でもつまらないと感じるのは、空白を受け止められているサインです。

私は普段、散歩をしながら、その季節の香りの強い花を探しています。
確かにいい匂いだけど、「こんなことをして何になるの」という冷や水が必ず頭の中に出てきて、それと闘わないようにすることがとても大切なんです。

緊張状態から解放されている時間に、人は初めて、自分だけの満たされる基準が湧きやすくなるからです。

頭でわかっても、一人では戻ってしまう方へ

とはいえ、根本的な解決にならないと焦ってしまいますよね。
読んだときは腑に落ちても、次の休日にはまた予定を入れたくなる方もいらっしゃるでしょう。

戻るのは、自然なことです。
長い年月をかけて身についた採点は、一度わかっただけでは止まりません。

だから、思い出すきっかけが毎日届く形で、作りました。

7日間の無料メールレッスンでは、カウンセリングの現場でも使っている小さなセラピーをお届けしています。
点数をつける手をゆるめて、自分の本当の気持ちに、自然と気づいていくためのものです。

→ 7日間の無料メールレッスンはこちら

点数のつかない時間に、あなたの心が少しずつ休まりますように。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

心理カウンセラー 外では「しっかり者」「いい人」でいられるのに、内側はずっとしんどい。そんな方が、自分で自分を守れるようになることを目指してカウンセリングをしています。私自身も、生きづらさや愛着の課題と向き合ってきた一人です。これまでに延べ2,000回以上のカウンセリングを行ってきました。 プロフィールの詳細はこちら