アダルトチルドレンのなかでも
イネイブラーは支え役、偽親ともいわれ、
親の機能不全を子供が代わりに引き受ける
意味合いが強く出ます。
父親が頼りなく、
母親が愚痴ばかりこぼすため、
息子が母を支えるといった感じです。
社会に出てもこの構図を抜け出せず
周囲の負担を自分だけで
受けとめてしまいます。
イネイブラータイプの方から
受ける相談はこういったものが多いです。
- 息子との共依存を脱したい(相談者はお母さんが多い)
- ダメ彼氏が嫌なのに別れられない
- 嫌われるのがとにかく怖い
- 高圧的な上司にも尽くしてしまう
NO!と言えない優しい方が
相談にこられますね。
カウンセリング中も、
私の話に違和感があっても
言い出せずに同意してしまうことも。
優し過ぎるために
自分の気持ちを後回しにして
目の前の相手を気遣い過ぎるのです。
イネイブラーは「イイ人」として
周囲に好かれることが多く、
本人もまんざらではありません。
そのため抑うつや無気力がひどくなってから
カウンセリングに訪れる方が多く、
こころの抑圧に無自覚なところが問題です。
この記事ではいつも「支え役」になる
イネイブラーの克服方法をお伝えします。
ホンネに気づけるかどうか
イネイブラーは無意識で
本音が見えない不安を抱えています。
やりたいことがわからず、
居場所がない怖さを満たすために
誰かに必要とされることで
こころを安定させようとします。
この部分を自覚できたとたん、
おもしろいぐらいに
回復するのが特徴です。
誰かをこころのよりどころにせず、
自分で自分を満たすことを
意識し始めるからです。
今までは我慢とすら思っていない
他人への過剰な気遣いを
「本当は嫌だった!」
と気づくために、
一気に意識が自分へと向き始めます。
他方、カウンセリングが進むと、
「なんだか最近怒りっぽくなった。」
と悩まれる方がいます。
が、これが克服の兆し。
自分を守るために必要な怒りが
ようやく出始めたからです。
- 大人になっても親の顔色を気にしていた
- 息子に嫌われたくなくて尽くしてしまう
- パワハラ上司にもニコニコしてしまう
- 面倒な友人の誘いも断れない
こういった症状がスーっと消えていきます。
どうやったらホンネに気づけるか
とはいえ、
アダルトチルドレンにとっては
子ども時代の考え方は
生死にかかわる生き残り戦略。
本能に刷り込まれているので
そう簡単に本音に気づくことはできません。
イネイブラーに必要なケアは
好き・嫌いを丁寧に洗い出すこと。
親、友人、職場の同僚や上司など
自分から誘いたくなるぐらい会いたいか、
直感で選んで振り分けます。
そうすると、
断るのが悪いから付き合っていた、
という人間関係が浮き彫りになります。
今までは「必要とされたい」という
フィルターで判断した人間関係を
「自分が」好きか嫌いかで
見える化することで
本音と向き合うことができるのです。
注意が必要なのは、
自分の意思を大事にすること。
「親を嫌いなんて言ったらダメ。」
「友人には感謝しないとダメ。」
などの世間体や他人の声を
一切無視してください。
本当は自分がどうしたいのかに
気づいたとたん、
イネイブラーはメキメキと
パワーを取り戻します。
イネイブラーを克服するとこうなる!
本音に気づくことができると
今まで他人にしていた気遣いを
自分に向けるようになります。
イネイブラーを克服した相談者は
他のタイプよりも
趣味や起業、副業など、
爆発的に能力を伸ばし始めます。
他人にあげていたエネルギーを
自分のために使い始めることで
人生の楽しみに気づくからです。
その楽しさが態度に現れ、
もともと得意な気遣いを
好きな人だけに発揮するので
人間関係の改善も目覚ましいものに。
相談当初は疲れ切っていた表情が
どんどん明るくなるので
カウンセラーにも元気を分けてくれます。
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