グレることで家族を救うアダルトチルドレン「スケープゴート」

グレることでどうやって家族を救うのか。

 

スケープゴートのアダルトチルドレンは、

実は両親が不仲である場合に多いです。

 

自分が悪いことをして目立ち、

その解決のために両親が団結すると、

一時的に夫婦仲が改善される。

 

こんな状態を無意識で作り上げるのが

スケープゴートと言われる

アダルトチルドレンです。

 

他のアダルトチルドレンが、

家族のご機嫌を伺うのとは逆に、

「自分がいなければ家族は平和」

という幻想をもたせることで

本当の家庭崩壊を防いでいます。

 

問題行動ばかりがめにつきがちですが

やはり他のACと同様、

無意識の家族想いの優しさが

行動の原動力となっています。

 

心の底から非行をしたいわけではない分、

好き勝手していそうで虚しさを抱え、

問題が見えづらくなるのです。

 

非行が激化して犯罪に至るケースが

社会現象となって現れることもあります。

 

例)1989年1月の女子高生コンクリート詰め事件など。

この例は斎藤学著『アダルトチルドレンと家族』より引用しました。

 

自分が病気になることで

家族の注目を集めさせるタイプも

スケープゴートタイプです。

 

「病気の自分は愛される」

という暗示が潜在意識にあり、

身体に悪いとわかっていることも

無意識にやってしまいます。

 

アルコール依存、タバコ依存、

過食や拒食などの摂食障害を引き起こすことも。

 

※依存症や摂食障害は、他の原因も複雑に絡みます。

 

ハッキリとした症状はなくても

いつも身体の調子がすぐれない

という形で現れる人もいます。

 

いずれにしても、

家族への諦め、虚しさを、

問題行動で埋めながら

家族の注目を集めることに変わりはありません。

 

スケープゴートは生きづらさがわからない

スケープゴートはやることが多くて

生きづらさの自覚を抱える暇がありません。

 

おまけに自他共に

「身勝手なことをしている。」

と思っているため

余計にガマンへの自覚がないのです。

 

そのため、抑うつ症状や問題行動が

表面に現れてはじめて、

カウンセリングに訪れるケースがほとんど。

 

だからこそ、生きづらさを自覚してくる

他のアダルトチルドレンと違って、

問題部分の治癒に注目されてしまいます。

 

 

本当は辛かった時代の感情を

処理することができずに、

大人になっても無意識で暴走する。

 

暴走した問題行動だけを

大人の理屈のガマンで抑えつけるから、

子どもの頃の心は

さらに暴走して歯止めが効かない。

 

この繰り返しで身も心もボロボロになり、

薬物の乱用や精神疾患など、

非常に大きな問題を抱えてしまいます。

 

トラウマという言葉もピンとこない

周囲から叱られてばかりで

トラウマとも思っていない

子ども時代を過ごすので、

過去を掘り下げてもピンとこない場合が多いです。

 

「やんちゃばっかりしてました。」

「友達といる時間は良かったです。」

 

とカウンセリングで言われてしまい、

本当の虚しさには気づけずにいます。

 

カウンセラーの役割は、

過去を悪者にすることではなく、

今ここにある問題行動、感情を

処理していくことです。

 

スケープゴートタイプの場合は、

行動する力はものすごく大きいので

理想の未来を定め、

そのための一歩を考えることで

少しずつ元気を取り戻します。

 

感情を出すことは

他のACよりもやりやすく、

未来への期待感をモチベーションに変えることは、

そこまで難しいタイプではありません。

 

この手法は副作用も少なく、

本人も楽しく人生を変えられます。

 

ここが他のアダルトチルドレンとは

アプローチが違う部分だと

個人的に思っています。

 

叱られ過ぎて自尊心が低い場合

ただし、親の期待が強すぎた反発で

非行を繰り返していた場合などは

自尊心がとても低いことがあります。

 

その場合、感情の表出がうまくいかず

先に傷ついた心を癒してから、

未来志向へと変更していきます。

 

このあたりは、

非行少年だったからスケープゴート!

と勝手に決めつけないことが

大事ですね。

 

どんなアダルトチルドレンにも、

家族を想う優しさや、

愛情を受け取れなかった哀しみが

行動を決定しています。

 

ご相談者本人にも、

優しさや哀しみを自覚してもらうことで

「こうしないと生きてこれなかった。」

「でも、もうその行動は必要ないね。」

と寄り添いながら理解できるよう、

促していくことを心がけています。

 

問題なのは行動よりも感情

表面に出た行動、症状だけを見て、

その先にある感情を無視すると、

場当たり的な対処療法になり、

同じことを繰り返します。

 

アダルトチルドレンは

同じ失敗を何度も繰り返す

という特徴があるのも、

根本的な感情処理ができていないためです。

 

自分は悪いことばかりしてきた、

社会にとても馴染めないダメな人間だ。

 

そんな風に思っていたら、

「生き残るために仕方なかった。」

と自分に語りかけてください。

 

カウンセラーや信頼できる人など、

あなたをジャッジせずに

受け止めてくれる人と話すことで、

感情の暴走は収まり始めます。

 

なぜなら、アダルトチルドレンの心の奥は、

空っぽの心を埋める何かを探す、

という気持ちでいっぱいだからです。

 

空っぽの虚しさを、

ジャッジ抜きで受け止められた瞬間、

あなたのつらさが劇的に変わります。

 

そうすると、自然となりたい方向へと

心は進み始めるのです。

 

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