アダルトチルドレンが育つ家族のことを
機能不全家族と呼ぶことがあります。
この家族は簡単にいうと
愛がうまく機能していない家族
と言い換えることができます。
「自分はアダルトチルドレンかもしれない。」
こう思ったらまずは、
育った家族が機能不全家族にあたるかを
苦しくない程度に振り返ってみましょう。
そのためにこの記事では
機能不全家族についての特徴を
詳しくまとめています。
自分について知ることが
癒しの第一歩になるので
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
機能不全家族のチェックリスト
機能不全家族の特徴については、
心理療法家の西尾和美さんのチェック項目が参考になります。
- 身体的なアビューズ(虐待)があった
- 性的なアビューズ(虐待)があった
- 精神的・感情的・言語的なアビューズ(虐待)があった
- 家庭の不和があった
- 怒りの爆発がよく怒っていた。いつ怒りが爆発するかと恐れていた
- 愛のない冷たい家族だった
- 人格を否定するような雑言や怒鳴り声が飛びかっていた
- 威し(おどし)があった
- 他人や兄弟姉妹といつも比べられた
- 親の思いどおりになるようコントロールされた
- 親の期待が大きすぎる家族
- 他人の目を気にする、表面だけ良くふるまう家族
- あまりにも多くの秘密があったり、外に出してはいけない大きな隠し事があった
- 顔や姿かたちについてからかわれたりばかにされたりした
- 親と子供の関係が逆転していた
- 子供を過度に甘やかした
- 自分の存在を否定された
- 依存症や共依存の親がいた
- 家の中のルールに一貫性がなかった
西尾和美『アダルト・チルドレン癒しのワークブック』より引用
虐待や否定的な言葉の繰り返しは
当然のように子供に害を与えます。
他方で、親からの価値観の押し付けや
過度の期待が「あなたのためを思って。」
という言葉とともに
機能不全を生むことがあるのです。
他にも
「お兄ちゃんは勉強ができるのに
あなたはダメだ。」
と家庭内で比べられることも、
ありのままを受け入れてもらえない
窮屈さを生みます。
こうして育った子どもは
自分には愛される価値はない、
という思いを潜在意識にもち、
その考えに大人になっても支配されてしまうのです。
子どもにとっての機能不全家族とは
小さな子どもにとって
機能不全家族とは
安心できる場所がない家族のことです。
直接的に虐待を受けるケースはもちろん、
両親が不仲である、母親の期待が重たいなど
間接的なものまで含まれます。
こうした家族のなかでは、
子どもは自分の意思を表明することが
難しくなってきます。
親の期待に応えることでしか
生き延びることができないという
無意識のプレッシャーを抱え続けるのです。
たとえば両親の不仲を防ぐために
自分が悪い子になって気をそらしたり
母親の愚痴聞き役に徹したりするなど
子どもの本音と行動にズレが現れはじめます。
機能不全を修正する子どもの末路
機能不全を修正するために必死な子供は
一見すると極端な良い子であったり
問題児として両親の気をひいたりします。
ただ、その行動の根本にあるのは
愛情深い、ありのままの自分が
愛される環境を求める欲求です。
そこに自分の意思がないので
心のなかはいつも空っぽ。
自分の意思で物事を決められず
親の反応・顔色を伺うことに必死で
「自分が尊重されないのが当たり前」
という考えが潜在意識に刷り込まれます。
こうした習慣が大人になるまで続くため
社会にでたときにも機能不全家族内での
ふるまいを続けてしまうのです。
機能不全はあなたの責任ではない
あなたがアダルトチルドレンについて調べ、
「生きづらさは私が悪いわけじゃない。」
ということに気づくことが癒しの第一歩です。
一方で、親への怒りが
わいてくるかもしれませんね。
ただし、あなたの親もまた、
愛し愛され方がわからない
機能不全家族で育ってしまったのです。
まずは自分を
アダルトチルドレンであることを認めて
怒りも悲しみも全部吐き出すこと。
こうして自分の意思を取り戻すことで
癒しの作業が始まります。
自助グループ、カウンセラー、
信頼できる友人などに
生きづらさを隠さず話してみてください。
アダルトチルドレンには、
機能不全家族内でのふるまいに
一定の型があるといわれています。
それについてはこの記事で
詳しく書いていますので、
参考にしてください。