アダルトチルドレンのほとんどは
普段はおとなしい、
静かで遠慮がち、真面目な方が多いのが特徴です。
(斎藤学『アダルトチルドレンと家族』より)
自分の意思よりも他人を優先し
つい譲りがちになってしまいます。
ただ、その分だけ心には
「自分の望みはどうせ叶わない。」
というモヤモヤがたまるもの。
これが怒りに変わって爆発したとき
攻撃的になってしまう
アダルトチルドレンもいます。
物静かにしている間も、
心の奥(潜在意識)に怒りがたまり
フタが外れたとたんに噴出してしまうのです。
たとえば職場での我慢が重なり、
普段は優しい人なのに突然キレた、
真面目な人がいきなり退職する、
などの極端な行動にも繋がります。
今回はアダルトチルドレンの
攻撃になってしまうという悩みの
解決への第一歩をご紹介します。
怒りを小出しにする練習
怒りを小出しにすることで
アダルトチルドレンの気持ちは
「怒りを我慢しなくていい。」
という暗示が入ります。
とはいっても、
時と場所を考えずに
怒りまくることはできませんよね。
そこでまず、
誰もいない場所で口に出すことから
始めてください。
いいですか?
頭で思うのではなく、
必ず口に出してくださいね。
職場ならトイレでもいいです。
おうちならキッチンでもいい。
無意識で我慢している怒りを
意識して外に出す練習をするのです。
「腹立つ。」
「あんな言い方しなくてもいいのに。」
「むかつくわー!」
最初はこれだけでオッケー。
あえて口にすることで
見違えるほど感情を表しやすくなります。
そこでもしできれば、
怒りノートを1冊用意してください。
怒りに引き出された愚痴を、
これでもかというほど
書き殴るノートです。
もちろん毎日書かなくて大丈夫。
気が向いたときに、書きたいだけ。
字も綺麗じゃなくていいし、
罫線に沿わなくてもいいです。
絶対に、その効果に驚きますよ。
最初はほとんど書けないのに、
一度書き始めると過去の怒りが
芋づる式にグングンでてきます。
そして書き終えると、
頭がむちゃくちゃ疲れます。
それだけ、
今まで抑えていたエネルギーが
身体にたまっていたのです。
私の場合、
熱でも出たのかと思うほど
身体がおもだるくなりました。
これは、怒りの毒素が身体から
出ていっている状態です。
こうして怒りを成仏させてやると
書く内容が少しずつ、
前向きなものに変化していきます。
(このワークをさらに詳しく知りたい方は、精神科医の泉谷閑示著『「普通がいい」という病』が参考になります。)
自分一人でできるから、
誰かを傷つけることもなく、
自分が傷つきそうならすぐやめられます。
ではなぜ、アダルトチルドレンは
怒りを溜めこんでしまうのでしょうか。
なぜアダルトチルドレンは怒れない?
アダルトチルドレンにとって、
怒りの感情は過度に悪者にされがち。
それはそうですよね。
大人になって、子供のようにわめいて
暴れたりしていたら、
それは大問題です。
でも、子供のときに
しっかり怒りをだせないことが多い、
アダルトチルドレンはどうでしょうか?
たとえばオモチャコーナーで
「買って買って~!」
と寝転んで駄々をこねたような人。
子どものうちに怒りを出すことに
慣れている人は、
大人になっても自分を守るために
怒りを適切に表すことができます。
無理な残業は無理と言える、
理不尽なときは事情を説明する、
恋愛相手と意思を話しあう。
こういったことを当たり前にできるのです。
でもアダルトチルドレンは違います。
怒りを表現しようとすると親からの
暴力や暴言、見捨てられる、無視、
こういった不安が強く働き、
何も言葉がいえなくなるのです。
そのまま大人になり、
親とは関係のない社会の場でも
同じように怒りを我慢してしまいます。
感情は、蓄積されてたまり続けます。
何度も何度も思い出しては
より強力に心に積もります。
これがパンクして一気に噴き出すと、
爆発や極端な行動につながるため
怒りはこまめに出す必要があるのです。
マヒしていた感情が目覚める
ご紹介した方法で怒りを吐き出すと
今までマヒしていた感情が目覚めます。
普段より敏感になって
少し怒りっぽくなることもあるのです。
アダルトチルドレンにとっては
怒りっぽくなることはむしろ、
過剰な我慢がとれてきた証拠。
実は私もそうでした。
すぐに胃が痛くなったり
頭が痛くなったり、
身体のサインに気づけるようになったのです。
大丈夫、ずっとは続きません。
しばらくすると、
花の香り、緑の美しさ、鳥の声など、
自然に対しても反応が敏感になります。
ささいなことで笑ったり
穏やかになり優しくなる。
怒りの下に眠っていた感情が
ちゃんと蘇ってくるのです。
そうなってはじめて、
自分の過去と向き合えたり
前向きな未来を想像したりできます。
怒りは悪者じゃないと知る
怒りは本来、ためこんでから
爆発させるものではありません。
自分を不利な立場におかないように
相手に要求を伝える1つの手段です。
怒るあなたも愛される、
という無条件の愛を
幼少期にもらえなかった人は
どうしても怒りを抑えがち。
態度や顔つきで怒りを伝えようとして
伝わらずに、さらに怒りはたまります。
そして爆発した後は反省して
さらに強く怒りを抑えつけて
もっと強い爆発を起こす、
我慢の悪循環に入り込みます。
そうして孤立感を深めてしまい、
誰にもわかってもらえない
生きづらさを抱えてしまうのです。
一人で抱えるのが辛いな。
そう思われる方は、
100%あなたの味方でお話を伺うので
よければ私にご相談くださいね。
まだ怒りと向き合うのは
辛すぎるという方は、
こんなセラピーも紹介しているので
よければ読んでいってください。