HSPで共感力が高く、いわゆるコミュ力がある人。
周りの期待に盛り上げ役として
率先して会話に参加するHSS。
- 自虐ネタも嫌がらず周囲を盛り上げ
- 人といる時はテンション全開
- 家に帰るとぐったり
- でも、意外と人嫌いってわけでもない
- 数年後、ケンカするでもなく人間関係をリセット
こんな経験がありませんか?
特にお酒の入る場や、
人の悪口が飛び交うところだと、
「そこまで言わなくても…」
と思いながら周囲に合わせるのが余計につらいですよね。
本当にお疲れ様です。
こころから労いたい気持ちでいっぱいになります。
外からの刺激が強い、というイメージで
語られるHSPですが、
実は内側の力もとても強く、良心的な方も多いです。
HSPチェックリストの項目に、「とても良心的である」「人が不快な時、どうしてほしいか気づく」という項目があります。
引用元:HSP提唱者エレインアーロン博士『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ』より。
周囲に対する良心、自分がその場でどうあるべきか察知するチカラが加わってしまって、ほとんどの場合、集団でうまく立ち回れるので、周りからの信頼も厚くなっていきます。
一方で、良心的にしたくて敏感に動いた結果、本心とは裏腹に押し付けのようになってしまい、かえって迷惑になって落ち込んでしまうことも。
どちらにしても、好かれ過ぎてもきつい、嫌われるのも不本意、という葛藤で苦しんでしまうのです。
その期待もまんざら嫌でもなく、人づきあいは得意だけどしんどいという状態が重なって、数年たつと何もかも放り出したくなるほどのストレスに襲われてしまう。
その結果、
- LINEをブロックして削除
- 引っ越しをして断ち切る
- 突然の休職退職
といった感じで人間関係をリセットしてしまいます。
リセットされた側の気持ちを敏感に察知できるし、自己嫌悪も深くあるはずなのに、本心では断ち切りたい関係だから、最後はリセットしてしまう。
今回はHSP/HSSの方が人間関係リセット症候群になる心理と、人づきあいを楽にしていく心の持ち方をお伝えします。
目次
自己嫌悪との付き合い方は別で記事にしています。
動画でも人間関係リセット症候群についてお話しています。
本心を感じていたらHSPはやってられない?
HSPは1つの刺激に対して頭のなかでいっぱい処理をします。
たとえば、散歩中にふわっと香った桜のにおいに
小さい頃を思い出したり、
去年の同じ季節を思い出したり。
そこから派生して入学式、卒業式や
入社式を思い出せば、
学校でのことや会社のことなど、
さらに派生した思い出を一瞬で浮かび上がります。
そこにくっついた感情を思い出し、
緊張したりワクワクしたりと、
感情の上下が他の人より大きいのです。
すると、本当は今、自分がどうしたいかを
考える余裕もなく、
とりあえず感情を処理する方に時間をかけてしまいます。
この状態が、「感じていたらやってられない。」
という心のブロックを作ってしまうのです。
すると、何が起こるか。
ささいな刺激をたくさん処理するうちに、
限界を超えてしまいます。
自分がコントロールできなくなるのが怖くて
とにかく素早い判断を繰り返すのです。
自分が本当にどうしたいかを考える暇もなく、
浮かんでくる感情に振り回されて、
本音がどんどん見えなくなっていきます。
周囲に相談しても、「気にし過ぎ」でおわり。
次第に自分はおかしいのではないか、
と悩んでいる気持ちも誰にもいえなくなってしまいます。
ニーズを察知する力が強い
もし、日本が内向的で
静かな人がもてはやされるなら、
HSPはこんなに疲れないとおもいます。
「そんな世の中あるの?」
と思われるかもしれませんが、
中国では「仲良くしたい友だち」として、
シャイで控えめな人が挙げられるのです。
(『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ』より)
日本ではアメリカ式のパーソナリティが
良しとされる風潮が強くて、
明るくてポジティブ、社交的でタフ。
こんな人材が良いという風潮が強いですよね。
HSPは社会のニーズを察知する力が強いので、
自分の個性を無視してでも、
ニーズに合わせた自分を演じてしまいます。
さらにHSSの場合は、
燃え尽きることを承知で刺激を求め、
さらに明るさを演じてしまうので、
とつぜん糸が切れたように疲れきることもあります。
外交的で明るく人に合わせるべき、
という無言の圧力を、HSPは敏感に感じとり、
「自分は自分だから放っておいて」と思うことができません。
期待に応えなければならない、
という暗示を自分にかけているので、
本心を抑えててでもその場の空気を読む方向に動く。
これを社会だけでなく友人、家族にまで
やってしまうので、こころが休まる暇がなく、
限界を超えたときに人間関係をリセットしてしまうのです。
人間関係をリセットして本音がわかる
人間関係をリセットしたとき、
後悔もありながらも「ホっとした」気持ちも
あるのではないでしょうか。
時間が経つと後悔がこみあげることもありますが、
それはホっとした状態になれた証拠。
合わせ続けることがなくなった自分を
受け容れ始めたころに後悔はやってきます。
でも、できればリセットを繰り返したくないですよね。
最初からリセットをしない関係を築くには、
どうすればよいか。
その一歩目が、
どんな場面でどんな本音を
抑え続けたのかを探ること。
本音を抑える作業は無意識でされるので、
自分でもしらないうちにやっています。
これを「知らないうち」から
ちゃんと認識できるところまで取り出します。
無意識は直感とか第六感というレベルですが、
HSPの察知力が高いために、
他の人よりも正しいことが多い。
それが成功体験になって、
もっと研ぎ澄まされていくのです。
こうして察知するトレーニングを積み過ぎて、
無意識で正確なニーズを察知して、
本音はどんどん後回しにしてしまいます。
後回しにされた本音は、いつまでも
我慢してくれません。
ささいなことをきっかけに爆発し、
周囲を驚かせるばかりか、
そんな自分を嫌悪して自分も驚き、
皆が傷ついて人間関係リセットへと進みます。
何をされたらいやなのか、どんな人なら
一緒にいて楽なのか。
相手を恐れずに自分の境界線を守ること。
- 嫌なときには「NO!」をいう
- 自分を大切にしてあげる
- 必要以上に相手を恐れない
ときにはケンカになっても構わないのです。
自分の意思をちゃんと告げて
相手が怒ってきたとしても、
それはあなたを支配して思い通りにしたいだけ。
そんな人間関係は、我慢して爆発する前から、
結ばなくていいことがわかってきます。
そして次第に、居心地の良い人とだけ
付き合っていく嗅覚が身についていくのです。
そこまで強くなれない時は…
いきなり強くなるのは怖い、
やはり周囲の目や相手に機嫌が気になる。
こういうときって、
実は自分を大事に思えていない時だったりします。
自分の声を聴き、どんな人か興味をもつ。
これが自分を愛することの第一歩。
カウンセリングで最初に「傾聴・共感」を行うのは、
カウンセラーがあなたの鏡になって
自分の意思を見つけるお手伝いをするからなのです。
とくにHSP/HSSは、周囲から「気にし過ぎ」と
幼い頃から言われてしまい、
かといって病気でもなく、
誰にもわかってもらえない孤独感のなかで生きています。
そのなかで自分のことがわかってくると、
「やっと誰かにわかってもらえた。」
という自分に対しての安心感が生まれ、
やがて「傷ついても私が私の味方だ!」
という気持ちが、
行動するエネルギーに変わります。
いきなり一人で行動できない時は、
カウンセラーや友人、家族など、
安心して弱みを見せられる人に
気持ちを話すことから始めてくださいね。